文化・歴史

キノコは世界を変えた

確かに、世界のほとんどの人は、きのこを本来の意味で評価していません。多種多様な菌類を使って美味しい料理を作るのはもちろんですが、今の世界を間違いなく形作っている非常に特別なキノコがあります。サイケデリック・マッシュルーム。これもあまり知られていませんが、飲んだ人には最高に喜ばれています。これらの神々の菌類は、私たちに霊性を与え、他の領域とのコミュニケーションを可能にし、おそらく言葉そのものをも与えると考えられています。

民族真菌学とは、キノコを研究し、歴史的にキノコが文化的にどのような影響を与えてきたかを調べる学問です。このページでは、何千年にもわたって行われてきたキノコ文化の大まかな流れをご紹介します。マジック・マッシュルームは文献に記載されていないため、情報が限られていますが、一つだけ確かなことは、人類は何千年もの間、マッシュルームと密接な関係を築いてきており、その関係の探求をすぐに止めることはないということです。

キノコ自体が地球上で最初に発生した生物の一つであることから、サイケデリック・マッシュルームはヒューマノイドよりもはるかに古くから存在していた可能性が高く、また、ヒューマノイドが出現した際には、マジック・マッシュルームを摂取していたと考えられています。彼らは結局のところ、狩猟採集民だったのです。想像してみてください。最初にマジック・マッシュルームを食べた人は、脳の中で新しいつながりを作り、何かとても大きなもの、もしかしたら自己認識のような深いものをつかんだのではないでしょうか。ここに、最初のシャーマンがいます。彼らは周囲の世界や、私たちを取り囲み、浸透しているエーテルとつながっているのです。

古代のアーティファクト

古代の洞窟画、彫刻、彫像などが世界中で発見されており、その中には紀元前9,000年にさかのぼるものもあります。これらの初期の部族にとって、キノコは非常に重要な意味を持ち、精神的に神々への導線となっていたようです。また、1500年代にサイケデリックなキノコは教会で禁止されましたが、一部の学者はマジック・マッシュルームと聖書（タナック語と新約聖書）を結びつけています。最後の晩餐でイエスが食べたのは、パンとワインではなく、Amanita muscariaというキノコだったと言われています。リグ・ヴェーダの有名なソーマもそうであったと推測されています。

紀元前1,000〜500年頃、中南米を中心にキノコとその帽子を描いた彫刻や美術品が人気を博していました。宗教的な意味合いも含まれていましたが、彼らにとってこれらの神秘的なイメージや彫刻がどのような意味を持っていたのかは推測するしかありません。大きな顔と小さな体を持つキノコの帽子は様々な形で彫られ、その絵は確実にサイケデリックなものに傾いています。

スペインの異端審問では、キノコの部族が壊滅的な打撃を受けたにもかかわらず、彼らの言い伝えを持ち帰り、幻覚作用の強いキノコ「テオナナカトル」が宗教的儀式に使われていたことを伝えています。13世紀に出版された「ウィーン・ミックステック写本」には、ミックステックの神々がキノコを使っていたことが記されています。また、この神は他の7人の神と一緒に描かれており、全員が聖なるキノコを持っていました。

アステカでは、七つの花と同様に、花の王子を崇拝していました。彼は基本的に幻覚剤、特にマジックマッシュルームの守護聖人でした。アステカでは「花のような夢」をトリップと呼んでいましたが、マッシュルームがもたらす花のような夢とは！？素晴らしいですね。悲しいことに、コルテスが1521年にアステカを打ち破ったとき、アルコール以外の酩酊物質はすべて禁止されていました。

しかし、1939年にメキシコで発見された幻覚作用のあるキノコがハーバード大学に送られ、シュルツという人物によって発表されたことで、キノコが大衆文化に復活したことがわかっています。

魔法のキノコを求めて

その後、1957年のTIME誌に、民族真菌学者のワッソンとハイムが「魔法のキノコを求めて」というタイトルで詳細な調査結果を発表しました。彼らは中米を訪れ、マッシュルームのシャーマンであり教祖でもあった有名なマリア・サビーナと一緒に、この魔法のマッシュルームの用途と効果を探った後にこの記事を書いた。サビーナは、現代のメキシコのシャーマンとしては初めて、西洋人が彼女のヒーリングの儀式に参加することを認めた人物である。ワッソンは、この素晴らしい女性に出会う過程で、異端審問を生き延びた古代のキノコ部族を再発見し、キノコが宗教的儀式に使われていたという彼の説を証明した。

ワッソンが魔法のキノコ革命を起こしたとはいえ、現代におけるキノコの全盛期は、1960年代後半から1970年代半ばにかけて、ヒッピーたちが幻覚剤の中でもサイケデリックを好んで使用していた頃でしょう。赤くて白い斑点のあるジューシーなマッシュルーム（Amanita muscaria）は、ヒッピー文化の象徴となり、人々は超越的な体験をし、神を見たり、お互いを見たり、音楽に合わせて回転したり、壁を溶かすことを考えたりしました。1972年までは、キノコの治療効果についても研究されていましたが、キノコの治療効果を裏付ける豊富な逸話もあり、現在も続々と報告されています。

ポピュラーカルチャーにおけるシュルーム

その頃から90年代にかけて、グレイトフル・デッドのツアーは、熟練した精神異常者が集まる場所であっただけでなく、いくつかの簡単な質問をすれば、たいていの場合、マッシュルームを挽いてチョコレートにしたり、完全な形にしたりすることができました。デッドの音楽は、幻覚体験のために作られ、実験されています。何千人もの身体が踊り、ステージ上の映像は常に目を見張るものがあります。ジェリー・ガルシアが1995年に亡くなりましたが、デッド・アンド・カンパニーはいまだにツアーを続けており、同じように素晴らしく、トリッピーな光景を見せてくれます。もちろん、他のジャムバンドやグレイトフル・デッドのカバーバンド、トランスミュージックなども同じような路線で盛り上がっています。

伝説的な作家であり、ヘンプ／カンバビス活動家であり、系統名ジャック・ヘラーは、時折大量のシルームを愛用していたかもしれませんが、大きな脳卒中の後に言語と運動機能を回復させるために、毎日アマニタ・マスカリアのマイクロドージングを行っていました。シルームを毎日摂取する前のジャックは、詩や呪いの言葉、好きな歌などしか覚えていませんでした。マイクロドージングを開始してから約1年後、彼は完全な文章とそれ以上の言葉を再び話すことができるようになりました。彼は亡くなるまで毎日の儀式を続けましたが、キノコが彼の生活の質を向上させたことは間違いありません。彼の会話はスムーズになり、知られていて愛されていた気性の荒い、舌足らずなジャックに戻っていました。

ジャックはマイクロドージングの実験をした最初でも最後でもありませんでした。実際、シリコンバレーでは、LSDを使っていることを除けば、マイクロドージングは一種の現象になっています。LSDを使用していることを除けば、小さな酸のヒットは、彼らの心を研ぎ澄まし、集中力を高め、創造性を向上させます。また、LSDのマイクロドージングは、耐え難いほどの痛みを伴う群発性頭痛にも効果があると言われています。

さまざまな種類がある

現在のところ、約210種類のサイケデリック・マッシュルームが知られており、さまざまな特性や効果があり、中にはより快適なものもあります。最も人気のあるサイケデリックな効果を持つのはシロシビン系のキノコです。その中でも、クベンシスとリバティキャップは、最も多く栽培され、収穫され、流通しています。アマニータ・ファミリーのキノコは非常に異なっており、注意して使用する必要があります。高用量では深くシャーマニックでカタルシスを感じ、微量では非常に集中力を高める体験をすることができます。

マジック・マッシュルームは、最も古くからある酩酊剤のひとつであり、現在でも非常に人気があります。マジック・マッシュルームの中でも最も簡単に栽培できるのがキュウベンシス・シュルームです。栽培キットはオンラインで販売されており、世界の多くの地域では収穫して食べることは違法ですが、キットとして購入し、科学実験として栽培することができます。当然、ほとんどの人が実験をしますが、私たちは教えません。

繋がりの文化

有名なサイケデリック・アーティストであるアレックス・グレイが指摘するように、「2006年、ジョンズ・ホプキンス大学のローランド・グリフィス博士の厳密な研究結果が『Journal of Psychopharmacology』誌に掲載され、シロシビンは、精神的な傾向のある人々に、適切なセットや環境で、神秘的な幻影体験をもたらすことが確認されました」。アレックス・グレイの作品は、特にシュルームやトリップをしているときには、簡単に迷子になってしまうようなイメージであふれています。人体の内部構造から、愛のバイブレーションの輝き、そして私たちの魔法の宇宙まで、彼は私たちトリッピーな人間の精神を捉えています。

現代のサイケデリックに影響を与えるもう一人の偉大な人物は、リック・ドブリンです。MAPS.orgの創設者である彼と彼のチームは、様々な治療方法や環境でのサイケデリック・トライアルを推進してきました。彼は困難な戦いを強いられてきましたが、その努力は何千倍にもなって報われています。彼の最新の研究には、PTSDに苦しむ兵士とのセッションでの、サイケデリック物質MDMAの使用が含まれています。承認されたMDMAセラピーセッションは、参加者とセラピストにとって人生を変えるものであり、セラピストは患者と一緒に服用することで、より深い関係を築くことができます。

それこそがキノコの真の文化であり、キノコが作るつながりなのです。地球に栄養を与える地下の網としてだけでなく、精神的、精神的、肉体的なつながりとして。これらのつながりは、誰かの目をじっと見つめることから、芸術作品をじっと見つめること、木や岩や動物とのつながりを感じること、そしてあらゆるものをつなぐ目に見えない網につながることまで、多岐にわたります。このウェブ（グリッド）は、心ある人であれば時折目にすることができ、マッシュルームと共通の体験となります。キノコはつながりの文化であり、私たちはただそれを利用するだけなのです。

天然のリセットボタン

マッシュルームがセラピーになるもうひとつの方法は、環境とのつながり以外に、リセットボタンのような働きをすることです。すべての旅が楽しいものになるとは限りませんが、キノコが心の中の何かを蝕んでいるものを解決する手段になることもあります。そんな大げさなものでなくても構いません。例えば、長い一週間や上司からの仕打ちなど、自由な時間を楽しむためには、何かを捨てなければなりません。少ない量のシルームでも、あなたのマインドセットをリセットすることができるのです。

悲しいことに、サイケデリック・マッシュルームは世界中で悪者扱いされ、犯罪者扱いされています。政府が光明を見出したか、それを気にしないような甘い場所はまだありますが、私たちの基本的な自由を侵害するような抑圧があります。大麻のように、人の助けがあってもなくても自然に育つものであり、普段は触れることのできない内面や外面の世界とつながるものです。政府はそれを恐れているのかもしれませんが、いずれにしても、マッシュルームには精神的な癒しの効果があるので、私たちは世界のマジックマッシュルームを不必要な汚名から解放するための取り組みを支援し続けなければなりません。